不安障害とは?

緊急事態宣言が解除され、街に活気が戻ってきている一方で
出勤不安や、人込み不安など
過剰な不安症の方が急増しています。

そこで、今日は、
不安障害について解説してみたいと思います。

 

不安障害とは?

不安や恐怖の感情が、
普段の状態とは異なって過剰につきまとい
日常生活に支障をきたしてしまう状態を言います。

独立した病名ではなく、社会不安障害などの恐怖症や、
パニック障害、強迫障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのストレス障害、
全般性不安障害など様々なものが含まれた心因性疾患の総称です。
(以前は不安神経症等と呼ばれていましたし、
最新の診断基準DSM-Vでは不安症になりました。色々難しいですね ^^; )

うつ病と並ぶくらいの発症率で、
うつ病など、他の精神疾患を併発する割合が高いとされています。

不安な気持ちや恐怖は生来備わった、自分を守るための能力です。
私たちに危険を知らせてくれる大切な信号なのです。

ですが、過度のストレスや疲れなどをきっかけとして、

脳の働きが誤作動を起こし

感情のバランスが崩れて

理由に不釣り合いな不安と恐怖が出つづけてしまうのです。

そのため、外に出るのが怖くなって引きこもりがちになったり

人間関係がぎくしゃくしたり

自分に自信を無くしたりして

さらに悪循環に陥ってしまいがちです。

 

どんな症状があるの?

精神面の症状

漠然とした不安がある
神経が敏感になる
緊張が続いている
落ち着きがなくなる
気持ちを集中させることができなくなる
イライラしたりすることが多くなる
その内容が不合理だと分かっていても、頭から追い払うことができない

身体面の症状

肩や筋肉の凝りがある
不安に掻き立てられて、繰り返して行為を行ってしまう
心臓がドキドキして動悸がする
胸に痛みや不快感がある
お腹の違和感が突然出てくる
吐き気が出てくる
突然、汗が出てくる
体の震えがでる
眠れない
めまいやふらつき、気が遠くなる感じがする
息切れや息苦しさが突然出て苦しく感じる
のどに何か詰まったような感じがあって、息が吸いづらい・吐きづらい感じがする
頭痛がするときがある

 

上記のような症状が出た結果…

1. 家事や仕事など日常生活がうまくいかなくなる
不安や恐怖・確認行為が強く継続してしまうと、
通勤・通学・買い物などの外出が難しくなったり、制限されてしまい、
社会生活・日常生活が送りづらくなります。

2. 集中力が下がってミスが増え、自信を失いがちになる
“失敗するかもしれない”という思いや、
漠然とした強い不安・緊張があるがために、
普段ならミスしないことでも間違いを起こしやすくなってしまいます。
そのため自信を失いがちになります。

3. 周りの人たちとの関係がぎくしゃくして、落ち込むことが多くなる
不安な気持ちや恐怖の感情の強さをなかなか理解しもらえずに、
“気の持ちよう”“心配しすぎだ”などと周りから説得を受けることにより
分かってもらえない。と関係がぎくしゃくてくることがあります。
孤独を感じやすくなり、抑うつ的になりやすくなります。

どうして起こるの?

生まれ持った気質、心理的要因、環境などの社会的要因がからみ合って起こります。

ストレスに誘発されて生じる不安障害は
恐怖の条件づけに関連した脳の神経回路の機能不全だと考えられています。

以前のブログ「不安に飲み込まれないための、とっても簡単な方法」でも
簡単にお伝えしましたが、

私たちの脳の中に、偏桃体という危険を知らせる防御装置があります。
番犬のように、危険を素早く発見して、避けるために
「危険だ!危険だ!」と教えてくれます。

例えば、急に大きな音がしたら、ビックリして心臓がバクバクいい始めますよね。
これがそのお知らせ。身体が危険に備えるのです。
けれど、小さな音ではそんな反応は起こらないはず。
ところが、小さな音のすぐ後に、大きな音がするということが繰り返されると
小さな音だけでも、はっとして、恐怖反応が起こるようになってくるのです。
これを「恐怖の条件づけ」と言います。

私が思い出すのは、3.11の後の地震警報。
今でも、あの「タランタラン タランタラン♪」という音を聞くと
はっとして、身構え、全身が危険に備える状態になります。

 

                                      (塩入俊樹先生 第106回日本精神神経学会総会教育講演資料より)

ちょっと難しい脳のお話になりますが
私たちは、外からの情報を視床というところから取り込んで
そこから偏桃体へと送るのですが
その際にルートが2つあります。

① 1つめは、視床から直接入ってくるもの

② 2つめは、海馬や大脳皮質を経由してから入ってくるもの

そして、そこから、図の右側の各部位に信号が送られて
活性化することによって、様々なストレス反応が生じます。

本来、②の経路は、それまでの記憶や、外部の情報を冷静に判断して
どの程度の危険なのかを偏桃体に伝える役割を担っています。

先ほどの例でいえば、
「あ、地震だ!」とドキドキして身構えていても、
「ああ、これは震度3だな。」と判断すると、不安は治まりますよね。

大丈夫、大丈夫。大したことないよ~
と不安にブレーキをかけてくれます。

ところが、不安障害では、
ここのコントロール機能がうまく働かなくなって
ブレーキの効きが悪くなってしまっているのです。

そのために、そこから先の視床下部や青斑核、結合腕傍核といった部位が
不必要に活性化されて、
心拍数が上がって動悸がしたり、
血圧が上がったり、
過呼吸になったり、
様々な身体症状が出てしまうというわけです。

そして、さらに
この身体症状そのものが、新たな刺激(感覚情報)として取り込まれ
「あ、ドキドキしてきた。大変だ!」
「あ、呼吸が苦しい。大変だ!」
と、悪循環がおこってしまい、
暴走を止めることができなくなってしまいます。

この②の経路は、とても重要で、トラウマに大きく関連してもいるのですが
そのお話はまたの機会に。

 

どんな人がなりやすいの?

もちろん一概には言えませんが、以下のような方々はなりやすいと考えられています。
気質的に敏感な人
基本的安心感が少ない人
発達の過程で、自分を不安にさせるような様々な思い込みを抱いてきている人
自己肯定感が低い人 など

 

どうしたら治るの?

コントロール機能をとりもどすことで治ります。

 

精神科を受診すると、抗不安薬などのお薬が処方されます。
直接脳の神経伝達物質をコントロールする等して、症状を抑えます。

ですが、ここに気をつけていただきたい落とし穴があります。

お薬のおかげで、抑えられている。
お薬がないと外に出られない。
お薬を飲んでいる私は病気だ。
お薬がないと生きていけない。

という新たな思い込みができて、
自分がコントロールしているという感覚が得ずらいということです。
そうだとしたら、逆効果。

自分には、コントロールできる力がある。
ある状況において、自分は必要な行動をうまく行うことができるんだという
自己効力感は、とてもとても大切です。

ですので、もし、今あなたがお薬を飲んでいらっしゃるとしたら、
私がお薬を使っている。
私がお薬を利用している。
と思ってくださいね。

症状を抑えるだけでなく、コントロールを取り戻すことが大切です。

 

私のおすすめの方法は

自分の身体を、ちゃんとブレーキが効く快適な乗り物にして
自分でハンドルを握ること。
そしてハンドルを握っている自分が 
喜びとともに生きている
ほんとうの自分でいる方法

 

まず、具体的には
前頭前野(内側前頭葉・前頭帯状回)を活性化させる
コントロール機能を取り戻すこと。
以前のブログで以下の方法をお伝えしました。
・ぬいぐるみ療法
・ぐるりと周りを見回して、目が喜ぶものを探す
・聴こうと思って聴く
・感じようと思って触れる
それ以外にも、タッピングというツボを刺激する方法、
あるいはミント系のアロマを使うなどの方法も効果的です。
ご自分に合ったやり方、心地いい、やりやすいやり方が必ずあります!
活用してみてください。

実際に自分の力で自分を安心させられる経験を通して、
自己効力感~自己肯定感をアップさせることができます。

 

次に、様々な思い込みに気づいて、手放し、どんどん自分を開放してあげること。

どんどん自由になって、ありのままの自分に自信が持てるようになります。

 

そして、ほんとうの自分と出会って、イキイキ生きること。

 

それは、適切な伴走さえあれば

あなたが思うほど難しいことではありません。

魂のコネクトセラピー

よろしかったら、一度 体験セラピーにいらしてみてくださいね。